Sigma APO 70-200mm F2.8 II EX DG MACRO HSM Sony(α)マウント テスト

2008/12/14加筆訂正

狸のデジタル写真館

 
○Intorduction

αシリーズデジタル1眼レフ(所有機 900,700,300)に関しては単焦点レンズをメインに使い、望遠系ズームは、既に所有している ミノルタ100-300mm F4.5-5.6 APOで良いやと思っていたのですが、シマリスを撮影していると、やはりF4.5-5.6では暗い、AFは遅い、最短撮影距離1.5mは辛いと三重苦。

Canonの方は、EF70-200mm F2.8L IS USMを持っていて、手ブレ補正もついているし、明るさも、AF速度も不満が無いのですが、最短撮影距離1.4mは辛いと言う状況がありました。

Sonyからはミノルタ時代から引き継いだ70-200mm F2.8G SSMが発売されていて、こちらは最短距離1.2m,αシリーズデジ1眼レフならボデー内手ブレ補正付きで、勿論このレンズでも手ブレ補正が効く、SSM(Super Sonic Motor:超音波モーター)駆動 AFで店頭で確認した結果 AFも静かで、早い。
問題は、販売価格 ミノルタ時代からNikon,Canonのレンズにくらべ、高かったのですが、Sonyに移行してから、更に価格があがり、今は何と311,900円。
Canon,Nikonの同等レンズは各々249,800円,226,800円。
いずれも、大手量販店調べ 10%還元。
両レンズとも、レンズ内の手ブレ補正ユニットを内蔵している。

雑誌等の評価記事や、実際に使っている人の話では、Sony製が一番写りも良く、ボケもズームとしては一番綺麗との事ではあるが、いかんせんこの金額では、今の懐具合を考えると手が出せない。

Tamronからもこのクラスのレンズは発売されている。
αマウントも発売されていて、実売価格も89,800円と安く、最短撮影距離も95cmとこのクラス最短、重量も1150gとこのクラス最軽量、αデジ1眼レフなら手ブレ補正も効く。
良いことずくめのレンズの用ですが、AFが超音波駆動でなく遅いのと、軽さとの引き替えか、外観がいかにも安っぽい感じがして、今回の選択肢からは外れてしまった。


Sigmaからもこのクラスのレンズは出ていて、こちらは何と言っても、最短撮影距離が1mと魅力的、更に販売価格106,800円(大手量販店調べ 10%還元)は魅力的。
HSM(Hyper Sonic Motor:超音波モーター)駆動でAFも静かで、早そう。
しかし、こちらは手ブレ補正が搭載されていないので、Canonボデーでは手ブレ補正が効かない。
αシリーズデジ1なら手ブレ補正は効くが、αマントはなかなか発売されないという状況があった。
最近になって、αマウントも発売され、これにより手ブレ補正も自動的に効くようになり俄然、購入候補にあがってきた。

しかし、また、Sigmaのレンズは解像度はそこそこ良いが、逆光に弱く、2線ボケが出るというイメージもあった。

Sonyからは、70-300mm F4.5-5.6G SSM も発売されていて、こちらも最短撮影距離1.2m,AFは
超音波モーター駆動、価格も99,800円(大手量販店調べ 10%還元)。
こちらも写りはすばらしく、最短撮影側も絞り開放から、マクロレンズ並の解像度を持っているとのこと。
ただし、開放F値が暗いのがネック。

ということで、Sony70-300mm F4.5-5.6G SSMを第一候補に、Sigma APO 70-200mm F2.8 II EX DGを第二候補に買いにいくことにした。

店頭で試した結果、Sigma70-200mm はAFも静かで、早い(Sonyの70-200mmとも比べてみましたが、ほぼ同等な感じでした)し、やはり1mまで寄れるのは魅力的。
ファインダーや液晶で見る限り、それほど強い2線ボケもでない様だ。

Sony70-300mmもAFは静かではあるが、Sigma70-200と比べても、AFのリカバリーが遅い事がある、鏡筒が太めで、望遠側でニュッと伸びる、やはり開放F値が暗い。

ということで、価格差もあまりないこともあって、Sigma APO 70-200mm F2.8 II EX DG MACRO HSMを購入することにした。

ということで、使用期間2週間ほどですが、画質等を含めて、インプレッションをレポートさせていただきます。

○大きさ、重さ、外観等
大きさ、重さはSony製とほぼ同じ、α900に取り付けて実際に持った感じもほぼ同じ感じ。
レンズ重量は、1.3kgを越えており、全体の重量は更に増えてしますが、撮影時のバランスは縦位置グリップを使った方がよい。

外観はクロのつや消し塗装でなかなか高級感がある。
ただ細かい埃がついてしまうと、塗装面の細かいおうとつの中に入り込んでしまい除去しにくいかも。
フードは細かい植毛状の塗装が施されているが、細かい埃がつくと本体以上に除去しにくく、ちょっと強く拭くと塗装が剥げてしまうので要注意。
また、ちょっとぶつけたり、擦っただけでも塗装が剥げたり、傷が付きやすく、また傷が目立つので要注意だ。
この塗装はコストも掛かっているとは思いますが、改善して欲しいところだ。


○操作性
ズームリング,フォーカスリングとも、純正のαレンズ群と同じで、とまどうことはない。
両リングとも、なめらかで、変な引っかかりや、途中からトルク感が変わるといこともないです。

○AF関連
AF超音波モーター(HSM:Hyper Sonic Motor)駆動で静かで早い。
Sony製(こちらは店頭で試しただけですが、何回も試しまくってはいます)と比べても、静粛性、早さとも遜色ないかんじ。

とはいうものの、Canonと比べると、静粛性、AF速度とも劣る感じがするときもある。
通常の使用では、AF駆動音が気になることはないが、本当に静かなところで使うと、Sigmaは時々ことことと音がするが、Canonはほとんど無音だ。
(CanonはAF駆動音よりも、手ブレ補正(IS)駆動音の方が気にし出すと、気になるかも)
AFでは、大きくフォーカスがずれてところからの合焦と、コンティニュアス オートフォーカス時に、一度大きくフォーカスを外してしまった時のリカバリーは、Canonに比べ感じがする。
これは、レンズ側の超音波モーターの駆動トルク、ストップ機構の問題もあるとは思いますが、
αシステムのAFに関する共通の問題かなと言う気もする。

○実写評価
実写画像付き詳細レポートはこちらを参照してください。

ピントの合ったところは、絞り開放から、なかなかシャープである。
(勿論、比較した単焦点レンズにはかないませんが)
F4まで1段しぼれば、十分実用的なシャープさだ。
状況によってはボケがざわついたり2線ボケが目立つこともありますが、背景を選んだり、少し寄り気味で背景をドカボケにする等で使いこなせそうである。
価格的には200mm F2.8  1本と同等かそれ以下で、同じ明るさのズームが買えてしまうのは驚異的かも。

○耐逆光性能
逆光に対しては強くはない。
例えば、向かって左斜め上方向に太陽があると、画像の右側斜め下半分が真っ白になってしまうことがある。
こういう、状況下では思い切って、真逆光で撮ってしまった方が良いかも。
真逆光では、全体にフレアーが出るが、デジタルなら、後処理でコントラストを上げることで対応できる事も多い。
強いフレアーが出たら、こまめにハレ切りする、レンズの向きを少し変えてみるとかで対応するしかないですね。

太陽をまともに入れるとゴーストも出ます。
太陽を入れた作品をとる人は要注意ですね。

次機種では是非改善して欲しいところです。

○テレコン Extention Tube関連
一番の問題は使えるテレコンが現状無いということかも。
現在、Sigmaから発売されているαマウント用テレコンは1.4倍,2倍とも超音波モーター対応レンズではAFがそもそも動かない。
一方、今度発売される超音波モーター対応のテレコンは、超音波モーター駆動レンズ専用で、従来のボデー内モーター駆動のレンズではAFが動かないとのことなので要注意です。

(余談でかつ店頭で試しただけですが、 Sony製 70-300mm F4.5-5.6G SSMにKenko Pro 300 1.4倍を取り付け、α900で試したところ、AFは遅めになるものの、ズーム全域でAFが効いて、カメラの液晶画面で拡大して確認した範囲では、精度的にも問題なしでした。
望遠側は合成F値8なので、本来はAFが動かないはずですが。
α900ではロクヨン(600mm F4)に2倍テレコンをつけてもAFが効くと言うこともあり、これはα900の隠れた実力なのかも)

Sonyから発売されているテレコンは、超音波モーター,従来のボデー内モーター駆動のレンズ双方にAF対応していますが、Sigmaのレンズには物理的に取り付けできません。

Kenkoから発売されている望遠用Pro300シリーズ 1.4倍,2倍,汎用の1.5倍(2倍は持っていないので未評価)はSigma70-200mmに取り付け可能で、AFも動きますが、ピントが合わず、MF専用になってしまいます。
Pro300のリニューアル版も発売されますが、SSM搭載レンズはMFのみと、アナウンスされているので、SigmaのHSM搭載レンズも同じ状況かと思います。

Kenko Extention Tube(中間リング) 3個セットも(12,20,36mm)試してみました。
全ての単体、2個、3個連結でもAFは問題なく動作して、ピンも来ます。
ボデー内モーター駆動レンズだと、2個、、3個連結をすると、MF時ゴリゴリしたりしましたが、超音波モーター内蔵レンズでは、フォーカスリングがスムーズに回せます。

○その他マウント,手ブレ補正
今回評価したのはSony(α)マウントの製品であるが、マウントは、Canon,Nikon,Sony(α),Pentax,フォーサーズと現役 AFカメラ用マウントは全てそろっている。
AFは超音波モーター駆動なので、カメラボデー側が対応していないとAFは動かない。
Canon,ミノルタ,コニカミノルタ,Sony,オリンパス,パナソニック製の全てのデジタル1眼レフは超音波モーター駆動 AFに対応しているので、古いデジタル1眼レフでも問題なく使えるはずです。

レンズ内手ブレ補正は搭載していないが、α系のデジタル1眼レフ,ペンタックス,オリンパスの一部の機種はボデー内手ブレ補正機能が搭載されているので、手ブレ補正機能の恩恵にあずかれる。
残念ながら、Canon,Nikonのユーザは70-200mm F2.8クラスで手ブレ補正機能が必須なら、純正を選ぶしかない。

○総括
最短撮影距離重視でかつ、超音波モーター駆動AFが条件なら、ならこれしかない。
実売価格は純正の1/3で、時にはボケがざわついたり、2線ボケが感じられたり、逆光には強くないという問題がありますが、この価格でこの写りは、驚異的かも。
とりあえず、明るい大口径望遠系ズームを低予算で欲しいと言う人にはお奨めである。

また、純正を買うお金がある人も、ズームはSigmaにしておいて、余ったお金で用途に応じ、Sony製の85mm F1.4ZAとかSTF135mm F2.8(T4.5),135mm F1.8ZAのどれか1本を買うと言う手もありそうだ。

とはいうものの、いつかはSony製の70-200mm F2.G SSMを手に入れて使ってみたいという気持ちはある。

試写画像はこちらを参照してください。

○Sigmaさんへのお願い。
フードの塗装は見た目に安っぽくなっても良いので、剥げにくい、傷が付いてもめだたないものに変えて欲しい。

実売15万円位までは許容範囲なので、絞り解放時の更なる解像度アップ、望遠側の色収差改善、ボケ味の改善、そして何よりも、耐逆光性能を上げて欲しい。

Canon,Nikon用は手ブレ補正(OS)付きのものも出して、欲しい。

話はそれますが、純正と同等な価格帯で、解像度、ボケ味、耐逆光性能、あらゆる面で世界最高の、EXシリーズを上回る、超高性能シリーズがあっても良いかと思います。


参考のため、各社から発売されている、70(80)-200mmクラスのレンズスペックを比較表にまとめましたので、興味がある方はご覧ください。

以上、長らくお付き合いありがとうございました。